こんにちは。
ついに念願叶っての船旅へ出かけました。
パックラフトに野営の道具を積み込んで1泊2日。
目指したのは、九州地方では最大規模の大河となる「筑後川」です。
というわけで今回は、2日間に渡る旅の模様(距離にして約50km / 活動時間は計16時間超え!)をビシッとお届けしたいと思います。
なかなかタフな行程だったので、良い子のみんなは真似しちゃダメよ。
それじゃあいってみよっ!!
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筑後川ってどんな川?
私の地元は久留米、ということもあり、とても馴染みのある川です。
久留米市近辺で生まれたり育ったり、もしくは住んだりしている方で、筑後川を知らない方はおそらく一人もいないでしょう。
野田知佑さんの名著「日本の川を旅する」でも紹介されており、最初に旅をするならば筑後川しかないだろうと、私はそう思っていました。
川辺川や球磨川だったり、宮崎の小川だったり、あるいは四万十川だったり、行きたい川はたくさんあるのですが、最初からそっちに足を伸ばすのは何だか違う気がする。
(モノゴトには、ちゃんと順番というものがあって、それは私にとってすごく大事なことだったりするのです)
筑後川の話。
九州最大規模の一級河川である筑後川ですが、上流から下流に向かって、どんどんその名を変えるのがなんとも面白い。
水源は熊本の阿蘇山。(知らなかった〜)
阿蘇の外輪山から「田の原川」→「杖立川」→「大山川」とその名を変え、玖珠川と合流してからは「三隈川」に。
※玖珠川は筑後川水系の支流で、天ヶ瀬温泉〜九酔渓。水源はくじゅう連山。
そして、三隈川は夜明ダムを境に、最終的に「筑後川」へとその名を変えて、有明海に注ぐわけです。
そんな中、今回下るのは、三隈川から筑後川。
野田さんが下ったコースを忠実に辿ります。
初日は、日田市内の三隈大橋から三隈川を下り、夜明ダムを越えて筑後川へ。
原鶴温泉あたりにはなんだか良さげな川原がたくさんあったよナア…というおぼろげな記憶。
まあイイ感じのところがあったら適当に1泊しよう、と。そういう計画です。
そして、2日目。
原鶴温泉から、久留米市内に入り水天宮へ。
馴染みの水の神様にご挨拶をしておかねばなるまい、というわけでゴールは水天宮に決めた。
船着場から境内へと階段で上がれる、と野田さんも書いている。
しかし、原鶴温泉から水天宮となると、いかんせん距離がなかなかあるので、果たして無事に辿り着けるのかどうなのか。
行ってみないと分からない。
しかし、どんなに悪い状況を想定しても、乗り切れる気がする。
ダメだったら途中で引き上げても良いだろう。
筑後川の横には久大本線が通っているので、エスケープも容易なのだ。
とにかく行ってみよう。行ってみるしかない。
よーし!旅を始めよう!
三隈大橋 ⇒ 原鶴温泉の河川敷
福岡天神バスターミナルから、始発の高速バスに乗り、約90分。
8:20 日田バスターミナル着。
前日にハイボールを飲みすぎたようで、お腹の具合があまり良くない。
お手洗いを借りる。
そして今日の出発地である三隈大橋。
橋の脇には、ちゃんと川原へ降りる階段があるのだ。
さすが、水郷日田。
いそいそと準備をして、9:25 出発。
今回はヘルメットも持参した。
普段使っている登山用のやつ。
そして、野営の道具一式をザックに詰め込んでいる。
完全防水のクラックス。27Lでギリギリ。
出発じゃ〜
両岸に浮かぶ、たくさんの屋形船。
なかなか風情がある。
ほどなく、三隈川公園横の堰に行く手を阻まれる。
ザックを背負い、パックラフトを担いで巻く。
ちなみに今回のコースは、何度も何度もこういった堰を越えることになる。
3kg程度で軽量なパックラフトは、こういう場面でも利点がある。
浅瀬を行く。
鮎釣りの方が何名かいらっしゃった。
挨拶をし、軽く世間話をしてソソっと通してもらう。
竿が何本か出ているのが見えたら、反対側の岸に寄って抜ける。
そして、いくつかの瀬を抜ける。
たいした瀬ではないのだろうが、しかし全身に水を浴びる。
問題なし。むしろ楽しい。
そして夜明大橋を越えると、夜明ダム前の静水セクションに入る。
ここが長かった。
流れがなく、さらに強い向かい風が吹いてきた。
パックラフトは風の影響を受けやすい。そして直進が苦手。
スピードもなかなか上がらない。
約1時間半、上半身をフルに使って必死で漕ぎまくる。
夜明ダムが見えてきた。
さて、どうやって越えようか。
早めに岸に上がるのが正解だったのだろうが、私はついつい目の前まで来てしまった。
結局、ダムの左側のヘドロと人工的なゴミの溜まりの中を無理やり越えた。泣きながら。
オススメしません。
早めに右岸から上がるのが良かったか…?
14:08 夜明ダム。
なんだかんだでもうこんな時間なのである。
ここから三隈川は筑後川へと名を変える。
夜明ダムの下は、ググッとカーブしており、なんだか不思議な地形になっている。
岸の下の方はえぐれていた。
そして、ここから浅瀬が続くのだが、石の隙間から魚たちがたくさん飛び出してくる。
中には40〜50cmはありそうなドデカイやつも。ビビった。
ワニかと思った。(そんなわけない)
釣り師のN村くんに聞いたら、おそらくコイだろうと。
うきはの沈下橋。
なかなか良い風景なので、ちょっと休憩。
持ち込んだおにぎりを頬張る。
16:29 大石堰。
本日、最後の堰越え。
川幅が広くなり、水量も増え、なんだか筑後川らしい雰囲気になってきた。
しかし、すっかり夕方になってしまった。
ゴールの原鶴温泉は近い。
本日のゴール地点。原鶴温泉付近。
ありましたよ。
イイ感じの川原!原鶴大橋の下。
バッチリ!想定通り。
よーし!
ここをキャンプ地とする!
石がゴロゴロしているが、ちょっと整地すれば大丈夫だろう。
…と思っていたら、
な
ん
と
!
な、なんですって?!
一段上がると、そこは楽園(パラダイス)。
美しい芝の河川敷が広がっているではないか!
前言撤回!
キャンプ地はこっちにします。
絶対こっちにします。これは嬉しい想定外。
というか、筑後川の中流域〜下流域は、こういった河川敷の風景が多く見られる。
しかしキャンプ場ではないので、野営のマナー厳守ね。
キャンプブームの折、無料の遊び場やキャンプ適地が、ごくごく一部の心無い人たちの行動によってキャンプ禁止になったり、火気厳禁になったり、そして有料になったり。
そういったことはよくあるのだ。
それから、これは全く別の話だが、地元の方々にとって憩いの場だった美しい草原を、企業が丸ごと買い取りご立派なキャンプ場にしてしまったことで、これまで自由に遊んでいた方々が好きに立ち入ることができなくなってしまった、というようなことも。
毎年、正月には子供たちが凧あげをして、それはそれはなかなか良い風景だったのに。。
どちらにせよ、人間を縛るのはいつも人間なのである。
自然とは上手に付き合っていきたいですね。
閑話休題。
というわけで、今日のキャンプ地に到着。
時計を見ると17:34 であった。
つまり、約8時間水上にいたことになる。
ハッキリ言って、バリ疲れた!
さあ寝床の準備をして、晩ごはんを食べよう。
寝床完成。
ファイントラックのツエルト2ロングをパドルで設営。
これやってみたかったのよね。
(写真も心なしかドヤ顔に)
梅雨入り前なので、虫たちも大丈夫だろう。
晩ごはんの前に、ちょっと買い出しへ。
はい、行ってきました。
酒屋(確かローソンという名前だった)で、缶ビール×2本とウイスキーを。
冷たいお茶も。
今日の晩ごはん。
ご飯を炊きつつ、とりあえず乾杯や。
1日目。
無事に12km漕ぎきった自分を褒めてあげます。
そして日が暮れた。
原鶴温泉 ⇒ 水天宮(久留米)の船着場
2日目の朝。
6:00 起床。
水で戻したアルファ米を口に入れつつ、ぼちぼち撤収。
7:45 出発。
朝の清々しい風の中を漕いで行く。
そして、すぐに山田堰。
おっ下まで繋がっているかな?
入ってみるか。
…なんて言って堰に船を入れるのは、
絶対にやめましょう。
(危なかった…最終的に激突して大怪我するところだった ←おいおい)
パックラフトはエアで膨らませた船なので、穴が空いたら元も子もない。
しかし、浅い瀬で底をこすったくらいじゃ全然大丈夫なのさ。
川底の石は、水の流れに洗われて丸くなっている。
恐いのは、人工的な何かだ。
川底にキラリと光る空き缶や割れた瓶などを見るとゾッとする。
堰の周辺や岸に積まれたテトラポッド的なやつも恐い。
固定してあるワイヤーや、なんだかよく分からない金属の棒状のやつも恐い。
というわけで、パックラフトで川を下る際は、人工的な何かに気を付けよう。
そういった意味でも、堰に侵入するのはやめて、おとなしく担いで巻くこと。
あ、ちなみにこの辺りは良い感じで流れもあり、水もなかなか綺麗。
清流とまではいかないが、しかし筑後川もなかなかやるじゃんと思ってしまった。
充分泳いだりなんかして遊べるレベル。
この辺りは、また改めて下りに来てもいいかもしれんなー。
耳納連山を横目に下っていく。
両筑橋を越え、
恵利堰を巻く。
個人的に、筑後川の一番美味しいポイントはここまでかな。
ここからは、段々と水も濁り、似たような風景が延々と続く。
川幅は広く、流れは緩やか。
それが、いわゆる私が子供の頃から見てきた筑後川の風景ではあるのだが。。
久留米市内に入っていく。
久留米市の中心部には、たくさんの橋が架かっている。
流れは、あってないようなものなので、無心で漕ぐしかない。
16:14 水天宮の船付場に到着。
距離にして約38km。
約8時間半でゴール。
いやあ、2日目もだいぶ頑張りました。
2日目から導入したスケグ(フィン)が本当にありがたかった。
私が乗っているグリフォンラフトのストレウスには、標準装備。
最初から付けておけば良かったぜ。
左右のブレが抑えられて、直進性が増します。
スピードがアップする、というわけではないが、パドルの力がまっすぐ直進方向に伝わることで、結果的にスピードもアップする。
簡単に取り外しが可能。
水深がある程度あれば、付けっぱなしで良いな。自分の場合。
水天宮。
ゴールです。
お参りして帰ります。
どうもありがとうございました。
初めての旅はどうだった?
というわけで、初めての船の旅。
大満足で帰路につきました。
今回選んだコースは、ひたすら長時間漕ぎまくる、という体力勝負な感じだったけど、結果パドルの使い方の練習になったし、地元の筑後川のこともだいぶ知れたし、本当に良かったと思っている。
そして、正直な話。
2日間の短い旅を終え、片付けをしながら、私はちょっと震えていた。
これが武者震いというやつか?
だって、身近な川をちょっと下っただけよ?
私の目の前には、これからどんな世界が出現するんだろう、そんなことを考えていると、ワクワクが止まらん。
歩きたいトレイルは無数にあるが、同じように下りたい川もこれからどんどん増えていくだろう。
うーむ。震える。。
とりあえず、梅雨が明けたらまた動き出しますので。
それまでじっくり計画を立てますかね。
次の旅も、乞うご期待!
長々と(ほんとに)ありがとうございました!!また次回っ!!
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