【高知・四万十川】パックラフトで日本最後の清流を下る。1泊2日のノスタルジックツアー!

旅の記録

こんにちは。
先日、念願だった四万十川へ行ってきました。

いやあ、本当に!


2年前にも、四万十川行きを計画していたのですが、台風による電車の運休でなんと川までたどり着けず。。
急遽、仁淀川に行き先を変更して、それはそれで最高だったんですけどね。


今回は、梅雨明け直後で天気もバッチリ。
久しぶりの泊まりがけのダウンリバーなので、計画段階から震えるくらい楽しみにしていました。



前泊+1泊2日のダウンリバーで、3日間しっかり四万十川を堪能しまして。
四万十川が「日本最後の清流」と呼ばれる理由が、ちょっとだけ分かったような気がします。うん。たぶん。


写真たっぷりでフィールドレポートです。


タイガー
タイガー

ハッキリ言って最高すぎたんよねえ。。


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四万十川ってどんな川?

高知県中西部を蛇行しながら多くの支流を集め、土佐湾(太平洋)に注ぐ四万十川。
四国内で最長となる一級河川で、全長196km。

本流に大規模なダムが無く、人工物も極端に少ないことから「日本最後の清流」と呼ばれる。
リバーツーリングの聖地と言っても過言ではない。


野田知佑さんの著書であり、船旅のバイブル「日本の川を旅する」でも、もちろん紹介されている。


さらに言うと、若かりしユーコンカワイさんのこちらの記事。


2004年にユーコンさんが四国を旅し、四万十川をカヌーで下っていた時のこと。(記事がアップされているのは2012年)

口屋内の集落で、なんと野田さんに遭遇するという奇跡が起きているのだ。
なんと言うか「まさに青春ど真ん中!」というような雰囲気がビリビリ伝わってきて、私はこの記事がとても大好きなのです。
そして、私もいつかは四万十川を船で下りたい、そう思っていた。


というわけなので、今回の四万十川は、野田さん、ユーコンさんの足跡をたどる、
超個人的聖地巡礼の旅
…とも言えるのだ。

やっとこの時が来た。

初日は、江川崎の川原からスタート。
まずは口屋内の集落を目指す。


そこで、なんとなく良い感じの川原があったら寝てしまおう、という計画。
…だったんですが、もうちょっとだけ進んで、かわらっこさんの下の川原まで漕ぐことに。
(後述します)


1日目の行程は約22km。


そして2日目。

かわらっこさんの下の川原から、四万十川の河口の集落、中村まで。
中村まで下ってしまえば、中村駅から高知市内への移動が可能。

2日目の行程は約15km。


四万十川を船で下る場合、
窪川から江川崎までは、瀬が連続する上級者コース。
そして江川崎から中村までは、比較的ゆるやか&たおやかで、川幅もあり水量もあり、一般的に我々が想像するような、いわゆる四万十川らしいコース。…と言われる。

今回は、下流部分、江川崎から中村までを1泊2日で漕ぎ切る計画なのである。


松山から江川崎へ移動

というわけで、福岡から夜行バスに乗り、まずは早朝の松山に到着。
移動費を安く抑えたいのであれば、高速バス一択である。

3列シートだったので、全然快適~♪


7:25 松山市駅。
ここから電車を乗り継ぎ、スタート地点の江川崎へ向かう。


せっかくなので、駅前の銀天街商店街を歩いてみる。

朝の8時前なので、お店はどこもシャッターを下ろしている。


商店街には小中高生の俳句大会の入選句がズラリと並んでいた。

ずーっと見て歩いて回っていたのだが(暇なので)、こちらの句がダントツで好きです。
と言うか、これはもう拍手喝采レベル。

「今今今 声を限りに せみがなく」

素晴らしい。


江川崎へ移動。

ここで、四国内で電車に乗る際の注意事項。
交通系のカードは使えないし、クレジットカードも使えない路線がほとんどです。
現金払いが基本です。気を付けましょう。


そして半日かけて江川崎に到着。
各駅停車の格安旅。

時刻はすでに14時を回ろうとしている。


さあ、四万十川を目指すぜ。

これは、支流の広見川。


歩いて10分ほどで、四万十川に到着。

川幅がすごい。
そして、テントを張るのに申し分ない広々とした川原。


というわけで、川原まで下りてきました。

ここをキャンプ地とさせていただきます!


ヤッター到着!

船の道具〜キャンプ道具まで、バックパックひとつでまとまる。
この身軽さ、機動力の高さがパックラフトの魅力よ。


川の透明度的にはAクラスくらいかな。

透明度が高ければ高いほど豊かな川である、というわけでもなくて、ちょっと濁りが入っているくらいの方が、生き物たちにとっては過ごしやすい、というようなこともあるわけで。
(釣りの師匠N村くんがそんなことを言っていた)

ちなみにですけど、充分に泳いだりなんかして遊べるくらいに美しい川です。
当たり前ですが。


まずは、テントの設営。

…と、ここで忘れ物がひとつ!

マットを持ってくるのを忘れてしまった…
こんな石がごろごろしたテント場でよりによって。


まあいいか。

今回はパックラフトをひっくり返してマット代わりにして寝ます。
このやり方あまり好きじゃないけど。解決。


江川崎の集落を散策。

「道の駅 よって西土佐」
>>> https://yotte.jp

地元のお魚からお野菜、お土産、ビールに地酒、だいたい何でも揃います。
2Fには休憩スペースも有り。


そして、もうちょっと散策。

こちらは、
「四万十・川の駅 カヌー館」
>>> https://canoekan.com


キャンプ場も併設していることから、そのあたりの受付だったり、キャンプ関連の道具の販売、冷たいアイスやドリンクの販売、などなど。

奥にはカヌーの展示もあって、ゆっくり見せてもらうことができました。


カヌーやSUPのツアーもいろいろと種類があるようです。



缶ビール(発泡酒)を購入し、川原に戻ってきた。


そして、日が暮れるまで泳いだりなんかしてゆっくり過ごす。
もうすでに最高!


夕食は、
「居酒屋 台北」さんへ。


麻婆丼にしました。ピリリと辛く美味!

「台北」という店名の通り、台湾出身の女将さんが切り盛りされていた。

「ワタクシタイガー、この前ね、台湾の山に登ってきたんですヨ〜」
その一言で、女将さんの顔と声色が一気に明るくそして優しくなり、それから台湾話に花が咲いた。


ご馳走様でした。


江川崎 ⇒ 口屋内

翌朝。


6時前には明るくなり始める。

早朝、世界に少しずつ色が付いていく、この静かな時間が大好きである。


準備をして、出発。


そして、日が昇る。

四万十川の皆さん、おはようございまーす!


人工物はほとんど目に入らない。
両岸はガチガチの護岸工事済、なんてこともない。

これは美しい。


あ、ちなみにパドルを今回から新調しました。

【モンベル】ユーコンパドル グラス 4ピース
初心者にも扱いやすいユーコンパドル グラスの特徴をそのままに、コンパクトに収納・携行できる4分割モデルです。

4ピース、というところは譲れないが、それ以外はまあそんなにこだわり無し。

モンベルが代理店をしているアルフェックの安いやつ。
今回使用してみた結果、申し分無し。
長さ調整はできないけど、その分シンプルで良いかも。


赤い橋が見えてきたら、上陸の準備。


上陸。

漁師のおじいがいたので、一声かけておく。


なぜ上陸したかって。

それは、赤い橋の横にある「いわき食堂」さんに立ち寄りたかったから。


おお!
食堂のイメージだったけど、ちょっとした小さな商店みたいになっている。
四万十川流域には、コンビニやスーパーはもちろん、商店や定食屋もほとんどないので、これは有難い。


そして、朝定食。
これを朝の8時からやってる、というのも有難いよ!ほんとに!

そして、この朝定食!これは個人的に一番好きなやつー!
美味しいおかずというか小鉢的なものがちょっとずつたくさんある、というのが私は一番好きです。



お腹が満たされたところで、再乗艇。

しばらく漕いで岩間沈下橋。
これぞ、四万十川の風景。


ちょっと上に上がってみた。

車一台分の小さな橋。


「パックラフトと沈下橋の風景を撮ろう」とカメラを構えていたら、ちょうどバイクがブーンと通り過ぎて行き、良い画になりました。
なんだか可愛らしい。


そして、しばらく進んだら口屋内の沈下橋。

さあ、ついに来た。
ユーコンさんが野田さんに遭遇した、口屋内の集落を覗いてみよう。


キャンプ地としても悪くない。


ふむ…。

唯一の商店である宮崎商店さんは営業をしておらず、それから竹村鮮魚店さんも、もう営業をしていないようだった。
そして、しばらく口屋内の集落を歩いてみたのだが、誰ともすれ違うことがなかった。
まあ、この暑い夏の盛り。日中にあまり外には出ない、というところもあるだろうが。


とは言え、ユーコンさんが訪れた2004年の風景とは、かなり変わってしまっている、そういうことだろう。

20年の月日が流れている。
それはそうだよな。


野田さんが贔屓にしていた民宿せんばさん。
いつか宿泊してみたいのだが。


バス停。
1日に3本。


美しい自然がそのまま残されている、というのは素晴らしいことである。
一方で、流域の集落のほとんどは、過疎化が止まらず無くなってしまうのだろうか。

自然と不自然のアンバランスを垣間見る時、とてつもなくノスタルジックな気持ちになることがある。
良くも悪くも、この風景とはもう二度と会うことができないのかもしれない、そんな気がして。


口屋内 ⇒ かわらっこ下の川原

後ろ髪を引かれつつ、先へ進むことにする。


四万十川は美しい。本当に。


途中、カヌーツアーの一団を見かける。

挨拶をして、漕ぎ進める。


14:30 かわらっこさんの下の川原に到着。


広々として、良い川原。

奥には、かわらっこさんのテントが見える。


岸に上がり、かわらっこさんにご挨拶。

「四万十カヌーとキャンプの里 かわらっこ」
>>> https://kawarakko.com


キャンプ場も運営されているのだが、
「下の川原で勝手に寝ても良いか?」ということを尋ねてみる。

「川原はみんなのものなので、もちろん自由に使ってください!」
と、気持ち良く言っていただいた。
ありがとうございます。


もちろん、
岸に上がって、かわらっこさんが管理しているキャンプ場を利用すれば、ふかふかの芝の上で寝ることができますので、皆さん良ければご贔屓に。


キャンプの受付、ちょっとした売店。
カヌー体験、SUP体験も有ります。


そして、冷たいビールも!

ありがとうございまーす!やっほい!


それから、弁当やサンドウィッチ、惣菜など。
ひやあ!美味しそう。

「さっきまで鰻弁当もあったんやけどね〜」

そう言って、おばあは笑っていた。


ということで、かわらっこ弁当と焼うどん、それから缶ビール!

川原に下りて、のんびり食べる。


さっき見かけたツアーの方たちがやってきた。

なるほど、かわらっこさんのツアーのお客さんだったのね。


テント設営。

さて、のんびりするか。


かわらっこのカヌーインストラクターりょうすけくんと話をする。

いつもインスタ見てますよ〜ということで、すぐに意気投合。


大変なお仕事。だけど楽しそうだ。


りょうすけくんがこんなものを持ってきてくれた。
「良かったら記念に〜」って。

地元の子供たちが作った、木のキーホルダー的なやつ。


いやあ、感激しちゃうな。
本当に。


そんなこんなで、日が暮れていった。


とここで!
りょうすけくんが仕事終わりで缶ビールを持って来てくれた。
(彼は車なのでノンアル)

少しずつ日が沈んでいく四万十川の川原に座って、ふたりでちょっとずつ話をしました。
私はこの時間を一生忘れることはないでしょう。


口屋内でちょっと寂しい気持ちになったけれど、こんな美しい出会いもあった。
諸々全部ひっくるめて、ここ四万十川に来て本当に良かった。
文化の発信基地、みたいなものは、たぶん少しずつ移り変わっていくのだ。

「過去のことは良いから、前へ進みなさい」

そんな声が聴こえたような気がした。


かわらっこ下の川原 ⇒ 中村

翌朝。


夜は少し雨に降られてしまった。


非常食をいくつか常備しているが、今回は有難いことに全く手を付けずに済んだ。
最終日の朝、お湯を沸かしてササっと食べてしまう。


さて、今日も出発や。


四万十川は、テラッテラキラッキラの鏡面仕上げ。

朝の静けさ。

鳥たちの歌声。
パドルが水面を叩く音。


高瀬沈下橋。


三里沈下橋。


そして、
四万十川の数ある沈下橋の中でも最下流に位置するのが、佐田沈下橋。


このあたりまで来ると、だいぶ川幅も広がり、流れも穏やか。
南(河口)からの向かい風も相まって、必死で漕がないと前に進まない。


ものすごい川幅。
河口は近い。


パドリングの回数を大声で叫びながら漕いでみた。

「イーチ!」
「ニーッ!」
「サーン!」
「シーッ!」
「ゴーッ!」

700回を数えたところでやめた。


中村駅にほど近い、国道56号線の赤い橋。
ここの下でゴール!

2日で約37km。
漕ぎ切った。


中村から高知経由で帰路

さて、帰るぞ。

中村駅に向かう途中にある中村温泉に立ち寄るつもりが、なんと定休日!
5日、15日、25日はお休みなのでお気を付けください。。


なんだか濡れ野良犬の匂いがするナア…と思っていたら、それは自分の匂いだった。
3日間、お風呂の代わりに川に浸かっていたんだから、それも致し方ない…か。


お手洗いで着替えだけ済ませて、中村駅。

高知経由で、福岡に帰ります。


高知駅付近にある銭湯「高砂湯」さん。
湯に浸かり、人間らしさを取り戻す。助かった。




というわけで、四万十川の旅を無事に終えました。

梅雨明けのとても良いタイミング。
素晴らしい夏の思い出になりました。


過去と現在そして未来について、いろいろと考えさせられました。
それは結局のところ、自然と人間の関係性やバランス、関わり合い方について、ということに終始するんですが。

日本最後の清流は、まだまだ大丈夫そうです。
ちょっとだけ寂しい一面も見えたんだけど。まあ、そういうものだろう。


「楽園に若者は住めない」

野田さんはそういった趣旨のことを書いていたが、それはその通りかもしれない。


まだまだ旅は続きそうですな。


タイガー
タイガー

長々どうもありがとうございました!!


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